パソドブレを総合解説|初級ステップから楽曲まで紹介!

パソドブレに関する情報をお探しでしょうか?社交ダンスのラテンダンスの1つであるパソドブレは、あまり人気が高くないとされながらも、歴史が深く非常に興味深いダンスです。本記事では、パソドブレの初級ステップや楽曲、歴史に至るまで総合的に解説しています。

本記事からパソドブレを知ることによって、社交ダンスにおいてもどんなダンスジャンルをしていきたいのかについて、イメージしやすくなるでしょう。

パソドブレは、どんな特徴や歴史的背景があって、どんなダンスジャンルになるのかを知ることによって、自分に合っているダンスジャンルの選び方についても明確にできるきっかけになるかと思います。

ぜひ、一読してみて、自分の目指したい姿を見つけるための参考にしてみてはいかがでしょうか。

パソドブレとは

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パソドブレの特徴は、主に女性が主役となる社交ダンスのラテン部門のダンスの中で男性が主役となることにあるでしょう。パソドブレは闘牛が原点となっており、男性がマタドール(闘牛士)を演じ、女性が牛やカポーテ(ケープ:赤い布)などを表現していきます。それだけでなく、言葉の意味や歴史にもパソドブレを理解する上で重要な内容がありますので、以下に解説します。

パソドブレ(ダンス)の意味と語源

Paso doble(パソドブレ)は「paso」と「doble」という2つのスペイン語から成り立っており、これらは「歩行」と「2重の」という意味であり、ダブルステップを意味しています。

ダブルステップという言葉そのものを捉えた意味だけではありません。パソドブレは音楽の名称としても用いられ、闘牛場への入場時に演奏される勇敢な音楽のこともパソドブレと表現するのです。

そして、パソドブレの音楽も2拍子で構成されており、ダンスステップも2歩(ツーステップ)を中心に構成されています。つまり、2拍子の音楽で2歩を中心にしたダンスであるパソドブレは、その語源の体を成していると言えるでしょう。

パソドブレの歴史

パソドブレがダンスとして広まったのは1920年代だとされています。パソドブレの歴史を深掘りすると、原点が闘牛にあるのです。闘牛の歴史はパソドブレより古く、中世のスペインでは既に行われていることが記録されています。

元々「パソドブレ」という名前は音楽を指していました。マタドール(闘牛士)と牛が闘技場などに入場する際に演奏される楽曲を指す言葉としてパソドブレという名称が用いられたのです。

18世紀頃、闘牛の人気が徐々に盛り上がり、それと当時にパソドブレも重要視され、演奏する楽団の数も増加。そして、闘牛の人気が上がるのとほとんど同時にサルスエラ(スペインの伝統舞台芸術)も人気となり、舞台で演奏される楽曲・舞踊曲としてもパソドブレが用いられるようになり、その後民衆に広まっていったのです。

パソドブレの基礎|初級ステップ名

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ラテンダンスの競技会において、出場できる級はダンサーのレベルに応じて決められており、いわゆる下位に属するダンサーはベーシックフィガー(特定のベーシックなステップ)で競い合います。パソドブレのベーシックに分類されるステップは31種類ほどあります。その中で今回は3つのステップを紹介します。

シュール・プラス|sur place

sur placeはフランス語で「その場で」を意味します。その名の通り、主にその場でステップするのがシュール・プラスの特徴です。4カウントをその場で足踏みするように男女お互いにステップを踏みます。回転や、向きを変える際も4カウントで行いますが、その時も立ち位置が「その場」で変わらないことがステップの特徴でしょう。

セパレーション|Separation

Separationはフランス語で「分離」を意味します。男女が離れるようなステップが特徴的です。ステップは8カウントで行われます。最初の4カウントで男性側から女性を押して離すように動作を行い、後半の4カウントで女性が1カウントずつステップを踏んで男性側に近づくようなステップです。この男女が離れるような動きが特徴的なステップでしょう。

ツイスト・ターン|twist turn

twist turnはフランス語ではなく、英語のステップ名です。日本語で表現すると「曲がりくねる」という意味に訳すと分かりやすいでしょう。イメージとしては、人が身をくねらせるのではなく、ステップの中で道を曲がって進むという感じです。8カウントのステップで男女に位置が入れ替わりながら「く」の字に進むようなステップです。

パソドブレで使われる音楽・楽曲

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パソドブレで聞かれる音楽は、多少メロディーが違っても、ほとんど似ているように聞こえるかと思います。実は、パソドブレで使用される楽曲についてはある程度の決まりがあるのです。

エスパニア・カーニ

パソドブレの競技会でかかる楽曲といえば「エスパニア・カーニ」と決まっていると言われるほどの代表曲です。パスカル・マルキーナによって1920年代に作曲されました。闘牛場等の入場曲としても用いられた楽曲で、現在はパソドブレのお馴染みとなっています。競技用で用いられる楽曲であれば、曲構成が決まっており、約2分5秒の曲にハイライトと呼ばれる盛り上がり部分を3つ含む特徴的な構成となっております。

スパニッシュ・ジプシー

パソドブレの競技会でかかる楽曲に「スパニッシュ・ジプシー」もしくは「スパニッシュ・ジプシーダンス」という名前も聞かれる時があるでしょう。曲を聞いてみると分かりやすいのですが「エスパニア・カーニ」との違いが分かりにくいですよね。実は「エスパニア・カーニ」の別名が「スパニッシュ・ジプシー」「スパニッシュ・ジプシーダンス」のようです。

正式名称で表記すると「Espana Cani」はフランス語。これを英語で示すと「Spanish Gipsy Dance」となります。つまり、表現する言語の違いなのです。

パソドブレを上手く踊るコツ

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パソドブレの特徴としては、ヒップアクションと言われるラテンダンスの特徴的な腰を回す印象的なアクションがないことが1つ挙げられます。そのため、立ち姿やシェイプと呼ばれる動きが重要になるとされています。そして、形にこだわるだけでなく、歴史を踏まえた表現するべき事柄をしっかりと理解してダンスに活かすことが上手く踊るコツの根本だと言えるでしょう。

技術的なコツを挙げると立ち姿勢として骨盤を前に出すような姿勢をし、シェイプの動きがハッキリが見えるように緩急をつけて際立たせる。といった表現になりますが、重要なのは「なぜをのような動きをすると良いのか?」という点になるでしょう。

これまでの解説で、パソドブレが闘牛に由来していることを説明してきました。そして、男性はマタドールで女性がケープなどを表現します。その状態を表現するための立ち姿勢がダンスの上で重要になるでしょう。また、闘牛を表現するのであれば、やはり生死を伴う戦いであることを忘れてはいけません。ただ荒ぶるような動きではなく、緩やかな動きから素早い動きを用意周到に使い、牛を躱していく中に闘牛士の冷静さも表現するようなダンス。それがシェイプを際立たせる理由だとも捉えられるでしょう。

パソドブレに関するQ&A

Q&A

色々なパソドブレに関する情報を紹介してきたところで、良くある質問についての解答をしていきます。主にどうやってパソドブレを練習していけば良いのか?という点について以下に説明します。

パソドブレの衣装はどうやって揃える?

パソドブレはラテンダンスに分類されます。社交ダンスは「スタンダード」と「ラテン」に分けられ、ダンススタイルが異なるのと同時に衣装も若干異なります。ラテンダンスの衣装は「スタンダード」と比較して露出が多いことが特徴になるでしょう。女性であればスカート丈が短めであったり、男性であれば胸の部分が開いていたり、といった比較的に露出多めの衣装が一般的になります。

衣装として選ぶのであれば、専門店から通販まで選択肢があります。また、レンタルが可能なお店もあるため、自分に合った条件を検討すると良いでしょう。

「本番用の衣装ではなく、ラテンダンスを練習する服装は?」という疑問がある方もいるかもしれません。これに関しては「特に決まった服装はない」ようです。ただ、選び方のコツがあります。

基本的には、細かいシルエットが見えるようにタイトなサイズであり、かつ動きやすい服装を選ぶようにすることです。練習の際に体のラインを見えやすくすることで修正が行いやすくなり、技術の上達に結びつきやすくなります。また、パソドブレ含む社交ダンスはペアで行うダンスであり、お互いの距離も近いため、派手な装飾があることによってぶつかりやすくなることがあるので注意する必要があるでしょう。

パソドブレはどうやって練習する?

パソドブレに限りませんが、社交ダンスには体力が必要になります。ペアで踊る競技のため、1人で練習することを疎かにしてはなかなか上達できません。筋力や柔軟性、持久力と総合的に身体能力を求められるため、そういった面を含めて練習する必要があるでしょう。

練習方法は、基本的にはレッスンを受けることになりますが、場数を踏むためにフリーダンスに参加するなどしてみるのも良いかと思います。体力面のみでなく、本番に強い精神面を鍛えるためには人に見られることに慣れる必要があります。

1人で練習するのであれば、ダンス時の「どの部分を良くしていきたいのか?」を明確にしてトレーニングを組み立てる必要があるでしょう。目指す姿勢に必要な腹筋や背筋を鍛えたり、ステップの幅や上下動をキレイにするために脚の筋力を鍛えたりと、自分自身の体やダンスのことを理解して体をコントロールできるようにしていきましょう。

まとめ

パソドブレの歴史から楽曲、初級のダンスステップに至るまで総合的に解説してきました。パソドブレは、社交ダンスのラテンダンスに含まれる闘牛が原点にあるダンスになります。

パソドブレは、女性が主役となりやすいラテンダンスの中で男性が主役になるスタイルです。ラテンダンスの中ではあまり人気がある方ではないようですが、力強く緊張感のあるダンスは非常にカッコ良く魅力的でしょう。

ダンスは、子どもから大人まで、楽しもうと思った時から体1つで楽しむことができます。たとえ、2人で行うダンスであっても、ステップの練習からその場で始めることができるのです。好きなジャンルを見つけてみて挑戦してみてはいかがでしょうか。