タップダンス(Tap Dance)はステップ以外にどんな特徴がある?歴史や有名ダンサー、練習方法を詳しく紹介!

オシャレでカッコいいイメージのあるタップダンス。
近年は、ダイエットや運動不足を解消したい方、リズム感を磨きたい方、ストレス発散をしたい方などからの人気が高まっています。
タップダンスを習えるスタジオも、それらの様々なニーズに答えてくれるようなところばかり。
今回は、タップダンスの歴史、特徴、ステップ、有名なダンサーや映画、そして、おすすめのスクールまで徹底解説します!
タップダンスに興味があるダンス未経験者の方はもちろん、他のジャンルのダンスをしている方もぜひご参考くださいね。

タップダンスとは?


タップシューズを履いて、音を奏でながら踊るタップダンス。
まずは、その歴史や特徴を詳しく見ていきましょう。

タップダンスの歴史

タップダンスの歴史は非常に古く、その起源は明確になっていません。
今回は、いくつかある説の中から、「黒人奴隷により誕生した」というものを詳しくご紹介します

18世紀、奴隷としてアメリカに連れて来られたアフリカ黒人たちは、文化や家族、言語などのあらゆる自由を奪われてしまいました。
ドラムのリズムに合わせたダンスも、彼らに残された唯一の楽しみであり、労働の活力でしたが、白人たちはそれさえも禁止してしまいます。
すると、黒人奴隷たちは、ドラムの代わりに靴でリズムを取るようになったのです。
これが、タップダンスの元になったと言われています。

他の説として有名なのは、「西洋の踊りを起源に持つ」というもの。

「西洋の踊りを起源に持つ」とされている踊り
  • アイリッシュダンス(アイルランド)
  • ジグダンス(イギリス/アイルランド)
  • クロッグダンス(イングランド/ウェールズ)
  • フラメンコ(スペイン)
  • 民族ダンス(アフリカ)

特に、タップダンスは、ロックダンスの要素を多く含んでいるとも言われています。

その後、19世紀後半頃からは、アメリカの舞台で踊られるようになり、20世紀には、映画や音楽と共に世界に浸透するようになったのです。

また、タップダンスはジャンルに分けると、モダンダンスのひとつに分類されますが、「抑圧された貧しい人々が生んだ、魂を表現するダンス」という意味では、ストリートダンスの成り立ちと似ています。

さらに、タップダンスはジャズダンスのルーツであるともされています。
足だけの表現から上半身を含めた表現に変わっていったことで、ジャズダンスは発展したのです。

タップダンスの歴史を紐解くと、様々なダンスと深い繋がりを持っていることがわかると思います。

タップダンスの特徴

タップダンスの特徴はダンス経験の有無に関わらず、イメージしやすいですよね。
具体的に見ていきましょう。

①|タップシューズを履き、タップボードの上で踊る

タップダンス最大の特徴は、足で床を鳴らす音。
爪先と踵にタップスと呼ばれる金属板を付けたタップシューズを履いて、タップボードの上で踊ることで、この音が生まれるのです。
タップボードを置くスペースさえあれば、ダンスの練習ができる点が、他のジャンルと大きく異なります。

②|踊りそのものはフリースタイル

タップダンスで重要なのは、足で音を奏でること。
上半身は、シンプルなフリースタイルの振り付けが多くなります。
指先までキレイに伸ばして踊るモダンダンスや、崩して踊るヒップホップダンスと違って、タップダンスにはそのような制約が無いからです。
音楽とリズムが合ってさえいれば、自由に自分を表現することができるということですね。

③|大切なのはリズム感

タップダンスを踊る上で、一番大切になるのは柔軟性ではありません。
もちろん、怪我を防ぐという点で柔軟な身体を作ることは大切ですが、タップダンスの振り付けには、柔軟性が大きく問われるものはないのです。
それよりも重要なのは、リズム感。
音楽に合わせて踊るのではなく、自分の身体そのものを楽器として音楽を奏でていくからです。
そのため、使われる音楽ジャンルは様々です。

タップダンスに使われる音楽ジャンル
  • ミュージカルナンバー
  • ジャズミュージック
  • ロックミュージック
  • ファンクミュージック
  • 和伴奏

ビートのある音楽であれば、どんなジャンルの音楽とも、一緒に踊ることができます

タップダンスのスタイル


現在、タップダンスも多様化しており、大きく分けてふたつのジャンルに分かれています。
同じタップダンスではありますが、一方は踊れても、もう片方は踊れない、なんてことが少なくないのです。
とはいえ、基本的なステップは同じなので、大きく違うのは、踊り方や曲の特徴
基礎を身に付けた後に、どのスタイルが自分に合っているか考えてみてくださいね。

リズムタップ

リズムタップは、ビートを重視したスタイル。
ダンスを踊るというよりも、楽器を演奏するかのように、メロディーのあるステップを踏みます。
ステップのバリエーションが豊富で、表現の自由度が高い一方、細かく複雑なリズムを刻めるかが重要になるので、上半身の動きは少なめです。
現在、タップダンススクールで教えられているのは、ほとんどがリズムタップと言われています。

シアタータップ

シアタータップは、ミュージカル映画で踊られるスタイル。
音楽に合わせて踊る印象が強くなります。
足元で単純なステップを踏むだけでなく、身体全体の動きも重視するので、ステージ映えする華やかな動きが多めです。
初心者にとっては、繊細な足捌きと一緒に上半身の動きに気を配ることが難しいかもしれません。
一方で、バレエやジャズの経験がある人は、上達が早いことが多いようです。

タップダンスの基礎知識


では、実際にタップダンスを始めるにあたって必要な基礎知識を紹介します。
必要な道具からリズムの取り方など、スムーズにスタートを切れるように、詳しく紹介していきます。

必要なもの

ジャズダンスに必要な3点セット
  • タップシューズ
  • タップボード
  • ダンスウェア

習い始めの頃は、一般的なスニーカーと床でも大丈夫です。
とはいえ、最低限の練習しかできないので、自分用のタップシューズとタップボードはいずれ必要になってくると思ってください。
また、ダンスウェアには、特別な決まりはありません。
踊るときに動きやすい服装であれば、自由なファッションでレッスンを受けることができます。
おすすめなのは、吸水性・速乾性に優れたトップスと、足捌きを確認しやすい丈のボトムス
Tシャツとハーフパンツやスポーツレギンスならば、問題無いでしょう。

タップシューズの選び方

本格的にタップダンスを習おうと思うと、避けては通れないタップシューズの購入。
「様々な種類があってよくわからない」という方のために、タップシューズの特徴と選び方をご紹介します。

①|どんな素材が良い?

タップシューズの価格の違いは、「素材」と「音質」に表れます。
本革よりも柔らかい合皮は使い続けても品質が変わらないこと、使い始めは硬い本革は使い続けると自分の足に馴染んでくることが「素材」の違いで、タップスの品質の良し悪しや着脱ができるかどうかが「音質」の違いです。
プロを目指すダンサーは、本革のタップシューズに自分の好きなタップスをカスタマイズしていますが、初心者には、始めからタップスが付いた合皮のタップシューズをおすすめします。
その方が金額も抑えられ、失敗が少ないからです。
タップダンスに慣れてきて、自分の好みの音を奏でたいと思った頃にグレードアップしても、遅くはありません。

②|価格帯はどうなっているの?

では、最初に選ぶべきタップシューズはどのくらいの値段なのか見ていきましょう。

タップシューズの価格帯
  • 初心者:5,000円~10,000円
  • 中級者:10,000円~20,000円
  • 上級者:30,000円~50,000円

最初は5,000円前後のタップシューズでも十分です。
自分のスキルに合わせてグレードアップしていくことで、高価なタップシューズの良さをより強く感じられます。

③|どんなデザインがあるの?

大きく分けて、スニーカータイプと革靴タイプがありますが、現在は革靴タイプが主流です。
スニーカータイプは、フィット感があってカジュアルなファッションに合いますが、軽いので、重くしっかりとした音が出にくくなっています。
そのため、革靴タイプの需要が高まっているのです。
革靴タイプの中でも、サイズが調整しやすい紐で締めるタイプが特に人気
子どもや女性には、ストラップ留めのタイプを好んで使う人もいます。
また、女性用のハイヒールのタップシューズもありますが、初心者向けではないため、スキルが整ってきたときに履いてみてください。

④|ブランドはどこが良い?

自分の足に馴染むなら、どのブランドでも構いませんが、人気なのは、こちらの5つのブランドです。

タップシューズの代表的なブランド
  • CAPEZIO(カペジオ)
  • So DANCA(ソダンサ)
  • BLOCH(ブロック)
  • Sansha(サンシャ)
  • Leo’s(レオズ)

特に、カペジオの人気は高く、価格帯の広さ、丈夫さ、履き心地の良さ、品質、デザイン性などにおいて定評があります
自分に合ったタップシューズを見つけられるはずです。

⑤|試し履きするときに気をつけることは?

初めてタップシューズを購入するときは、通販ではなく、店舗に出向くことをおすすめします。
試し履きをすることで、自分に合ったシューズを知ることができますし、タップシューズに熟知した店員さんが教えてくれるからです。
その際、ダンスをするときに着用する靴下を持っていき、それを履いた上で試着してみてください。
床に立ったときの安定感、踝や足首が靴ズレしないか、つま先部分に指1本分くらいの余裕があるかの確認は必須です。
中敷きで調整することもできますので、成長期のお子さんなどは、少し大きめのタップシューズを選ぶのもアリ。
足を激しく動かすタップダンスでシューズのサイズが合っていないと、動きにくい上に、足を痛める場合があるので、丁寧なシューズ選びを心懸けてくださいね。

基本となる3つの鳴らし方

タップシューズの特徴でもご紹介しましたが、タップシューズには、爪先と踵に金属製のタップスが付いています
これを床にぶつけることで音を鳴らすことができるのです。

タップシューズの3つの鳴らし方
  • 爪先側で鳴らす「トゥ」
  • 指の真ん中で鳴らす「ボール」
  • 踵側で鳴らす「ヒール」

この3つの鳴らし方を組み合わせてステップを踏んでいきます。

タップダンスの代表的なステップ


タップダンスにはたくさんのステップがありますが、「シャッフル」と「フラップ」の2つのステップを覚えれば、ある程度の振り付けは踊ることができるのです。
今回は、それらを含めた、4つの代表的なステップをご紹介します。

シャッフル

ボールで床を蹴って前方に蹴り出し、トゥ、もしくはボールで打ち戻します
サッカーボールを蹴るように足を前に蹴り、同様に後ろに引くイメージです。
足首をだらんと脱力するのがポイントになります。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=b_e_08AMa6Y)

フラップ

ボールで蹴って、ボールで踏みます
「蹴って引く」シャッフルに対し、「蹴った足を下に置く」のがフラップです。
シャッフルとの違いを明確にするために、「置く」ことをしっかりと意識しましょう。
移動の時に使われることが多く、繰り替えれば、2音出しながら歩く動作になります。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EMs-dLEs0h8)

パドル/スカッフル

ヒールで前方へ蹴り出し、トゥ、もしくはボールで打ち戻してから、ボールで床に足を付けて、ヒールを落とします
振り上げた足は、自分から遠い方向に打ち鳴らし、戻すときには、自分側に寄せるのがポイントです。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=KUynof0TrZ4)

プルバック

基本ステップの中でも、上級者向けの少し難しいステップですが、コツを掴めばできるようになります。
片足のボールで立ってから、後ろにジャンプするときにボールを打ち鳴らして着地します
わからないときは、まず、両足を揃えて練習してみてください。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=STdFQPmVs6w)

有名なタップダンサー


タップダンスは、ダンサーの数だけ種類があります。
ご紹介するのは、タップダンスの歴史に影響を与えた、もしくは今も与えているタップダンサー5人です。
ぜひ、ご自身の好きなダンサーを見つけてみてくださいね。

ビル・ボージャングル・ロビンソン

アメリカで「タップの神様」と呼ばれ、誕生日5月25日が「National Tap Dance Day」と言われるほどに偉大なタップダンサー。
1920年代にはヴォードヴィルで、1930年代には映画で一躍人気を博しました。
タップダンスを習うなら、ぜひ一度、彼のタップダンスを観てくださいね。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=NusZgfCQ634)

フレッド・アステア

アメリカの俳優、歌手、そして、正統派のミュージカルタップダンサー。
姉とのコンビでヴォードヴィルやブロードウェイの人気を得た後、単身で映画界に参入し、ハリウッドのミュージカル映画全盛期の一翼を担いました。
1835年の『トップ・ハット』でのジンジャー・ロジャーズとのペアダンス、1940年の『踊るニュウ・ヨーク』でのエレノアとの火花散るようなダンス、そしてアステアのソロダンスの完成度の高さには、目を見張るものがあります。
アステアのダンスは、全身をくまなく使った超絶技巧、気品溢れる身のこなし、洗練された美しい足音などが魅力的。
ステッキなどの道具を使ったりと、アイデアも素晴らしく、飽きることなく観ていられます。
幼少期にアステアに憧れたマイケル・ジャクソンが、妹とアステアごっこをして遊んでいたというエピソードは有名です。

フレッド・アステアの主な出演作品
  • 『ダンシング・レディ』(1933)
  • 『トップ・ハット』(1935)
  • 『踊るニュウ・ヨーク』(1940)
  • 『バンド・ワゴン』(1953)
  • 『パリの恋人』(1957)


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=faN0kPOQykM)

ジーン・ケリー

出演した映画はすべて名作と言って良いほどの、ハリウッドを代表するミュージカルスター。
ダンサーとしてだけでなく、俳優、振付家、監督、脚本家としてマルチな活躍を見せました。
ケリーのダンスは、上半身をだらっと脱力させたり、少しおどけるような表情を見せる一方で、正確なリズムを刻んだり、躍動感やアクロバティックを取り入れるという緻密な計算が魅力的。
また、スタントマンを使わないことでも知られています。
特に有名なのは、1852年の『雨に唄えば』。
今でもタップダンスの発表会で踊られるような、定番のナンバーです。

ジーン・ケリーの主な出演作品
  • 『フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル』(1942)
  • 『錨を上げて』(1945)
  • 『踊る大紐育』(1949)
  • 『巴里のアメリカ人』(1951)
  • 『雨に唄えば』(1952)


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=edvN1DfRTZI)

ニコラス・ブラザーズ

兄のフェイアードと弟のハロルドによる兄弟のダンスデュオ。
ふたりともダンスを正式に習ったことはなく、持ち前の高い身体能力を活かした独特の世界観を確立させました。
タップダンスとアクロバティックさを組み合わせたパフォーマンスは「フラッシュ・ダンシング」と呼ばれ、観客だけでなく、当時のダンサーたちにも強い影響を与えたほどの人気振り。
互いの背中を飛び越しながら、階段状のステージを下りてくるという特に有名なダンスムーブです。
1990年代の終わりまで、ステージ、映画、テレビで活躍した後、指導者としてマイケル・ジャクソンを教えたこともあります。

ニコラス・ブラザーズの主な出演作品
  • 『遙かなるアルゼンチン』(1940)
  • 『オーケストラの妻たち』(1942)
  • 『ストーミー・ウェザー』(1943)


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=zBb9hTyLjfM&t=16s)

熊谷和徳

東京オリンピックの開会式にも登場した、日本のトップダンサー。
日本とニューヨークの2箇所を拠点として、世界で活躍しています。
19歳の頃に、タップダンスの本場・ニューヨークに渡り、日本人初のブロードウェイミュージカルダンサーとなりました。
2006年にはアメリカのダンスマガジン誌の「観るべきダンサー25人」に選ばれ、2016年にはアメリカのダンス最高峰「BESSIE AWARD」の最優秀パフォーマー賞をアジア人初の受賞者となり、2019年にはニューズウィーク誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれ、「日本のグレゴリーハインズ」と評されたりと、その技術力と表現力は世界に評価されています。
力強くダイナミックなタップと、耳を澄まさなければ聞こえないような繊細なタップを使いこなす姿は、まさに身体そのものが楽器であるかのようです。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=-YkjbfGPMKw)

タップダンスシーンが印象的な映画


タップダンスの爆発的な人気は、ハリウッドのミュージカル映画の躍進の影響が強くあります。
また、ブロードウェイのミュージカルでも、数多くの名作が生まれました。
ここでは、特にタップダンスシーンが印象的な作品をご紹介します。
どの映画もタップダンスの魅力が詰まっているので、ぜひ自分のお気に入りの作品を見つけてください。

『錨を上げて』(1945)

先程ご紹介したジーン・ケリーと、フランク・シナトラが出演しています。
4日間の休暇でハリウッドを訪れた水兵の恋物語を描いており、その年のアカデミー作曲賞を受賞しました。
2人の個性を活かしたケリーのダンスとシナトラの歌は、恋のドタバタ劇をより楽しませてくれます。
見どころは、ケリーが『トムとジェリー』のジェリー・マウスと一緒にタップダンスを踊るシーン。
実写とアニメーションを見事に融合させた共演シーンは必見です。

https://www.youtube.com/watch?v=2Irw0wsdGNE
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=2Irw0wsdGNE)

『ホワイトナイツ/白夜』(1985)

世界的なバレエダンサーのミハイル・バリシニコフと、当時トップを走っていたタップダンサーのミハイル・バリシニコフが共演を果たした映画。
洗練されたダンスでお互いの個性を競わせています。
ソ連を亡命した過去があるバレエダンサーと、ソ連へ亡命してきたタップダンサーが、ダンスを通して交流を深めていく硬派なストーリーにも惹き込まれることでしょう。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=haBZCrBHMm4)

『TAP』(1989)

主演は、トニー賞の受賞経験もある実力派の俳優兼タップダンサーのグレゴリー・ハインズ。
タップダンスの暗黒時代を生き抜いた「マスター」と呼ばれる往年のダンサーたちが脇を固めています
見どころは、彼らの高速ステップやアクロバット、経験や年齢を重ねたからこそ滲み出る個性。
マスターたちのタップダンスを観て、プロを志したダンサーも少なくありません。
タップダンスを思う存分堪能できる作品となっています。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Os5OhXrOiGs)

『座頭市』(2003)

北野武監督、ビートたけし主演の映画。
国内の観客動員数が200万人、日本アカデミーでは複数の部門で受賞を遂げ、ヴェネツィア国際映画祭では銀獅子賞という監督賞を受賞するなど、国内外で高い評価を受けました。
時代劇でありながら、大人数のダンサーがタップダンスを披露するエンディングのシーンは圧巻です。
祭り、和太鼓、着物、下駄、和の音楽という日本文化に、タップダンスという欧米文化を融合させたオリジナリティ溢れる振り付けをして、中心人物として踊ったのは、HIDEBOHさん。
彼が日本を代表するタップダンサーとなるきっかけとなった作品でもあります。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EPcBaOcQOE0)

『TAP THE LAST SHOW』(2017)

俳優の水谷豊さんが初監督兼主演を務めた映画。
リアリティを追求するため、総勢300人を超える若いダンサーたちのオーディションが開かれました。
本物のタップダンサーが踊るからこその本格的なタップダンスが観られます。
また、この作品でも、HIDEBOHさんがタップダンスの監修兼振付を務めました


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=NXozUa1IzRM)

おすすめのタップダンススクール

「タップダンスを習ってみたい!」と思っても、どんなタップダンススクールがあるかわからないと、始めるための一歩が踏み出せませんよね。
そんな方のために、都内でおすすめするタップダンススクールを3箇所ご紹介します。
スタジオへのアクセス、設備、スタイルなどを比べてみて、自分にあった教室を見つけてみてください。

※掲載している情報は公開時点のものですので、変更があるかもしれません。
ぜひ、ご自身で公式サイトをチェックしてください。
正しい情報が手に入るはずです。

KAZ TAP STUDIO

中目黒にある教室。
主宰者は、先程もご紹介した熊谷和徳さんです。
彼の元に集まったタップダンスカンパニーのメンバーが講師陣を務めているため、実力派のレッスンを受けることができます。
とはいえ、プロ志望の方だけでなく、タップダンス未経験者のニーズにも応えるために、スキルに合わせたクラスが用意されているのも嬉しいところ。
また、スタジオパフォーマンスやスタジオパーティーなど、メンバー同士の交流の輪を繋ぐイベントも頻繁に開催されています。
時々、熊谷さんのシークレットライブが行われたり、有名ミュージシャンが飛び入りすることもあるとか。
アットホームな雰囲気の中で一流のトップダンサーのレッスンを受けてみたいという方におすすめの教室です。

KAZ TAP STUDIOの基本情報
  • 公式サイト:http://kaztapstudio.com/
  • 体験レッスン:1,600円(お一人様、初回の一回のみ)
  • 会員レッスン:2,800円
  • 入会金:10,000円
  • 更新料:5,000円(2年目まで。その後永久会員)
  • 住所:〒153-0051 東京都目黒区上目黒1−5−10 中目黒マンションB1F−10号
  • TEL/FAX:03-6906-6076
  • MAIL:riot@kaztapstudio.com

HIGUCHI DANCE STUDIO

駒澤大学にある教室。
主宰者は、『座頭市』や『TAP THE LAST SHOW』の振付を手掛けたHIDEBOHさん
シアタータップ、即興クラス、『座頭市』の振り付けを学べるクラスなど、様々なテーマのレッスンを受けることができます
入門クラス、キッズクラス、シニアクラスなど、未経験者のためのクラスや、ヒップヒップダンス、ジャズダンスなど、表現力を広げるためのクラスも充実。
エンターテインメント性に長けたタップダンスを身に付けたい方にはおすすめの教室です。

HIGUCHI DANCE STUDIOの基本情報
  • 公式サイト:https://higuchi-ds.com/
  • 体験レッスン:550円(初回1クラスのみ)
  • レギュラーレッスン:2,640円~
  • 入会金:11,000円
  • 住所:〒154-0003 東京都世田谷区野沢3-30-6 スプーキービルセカンド2F
  • TEL/FAX:03-3414-2608
  • MAIL:info@higuchi-ds.com

rhythm speaker

池袋にある教室。
シューズやレッスンウェアをタダでレンタルできるので、手ぶらで通うことができます。
さらに、駅から徒歩3分という立地の良さ、朝7時から夜23時までレッスンが行われているので、生活リズムを崩さずに済むのは嬉しいですね。
未経験者のクラス、キッズクラス、シニアクラス、インストラクターを養成するクラスなど、幅広いスキルに対応しており、それぞれ有名カンパニーのメンバーである実力派タップダンサーが講師を務めています。
気軽にタップダンスを始めたいという方におすすめの教室です。

rhythm speakerの基本情報
  • 公式サイト:http://rhythmspeaker.wixsite.com/home
  • 体験レッスン:1,000円(初回限定)
  • 1レッスン:3,000円
  • 入会金:0円
  • 住所:〒171-0021 東京都豊島区西池袋 3-22-10 大晃第7ビル B1
  • TEL:03-6273-2545
  • MAIL:​rhythmspeaker@rhythm-speaker.com

タップダンスに関するQ&A


ここまで、タップダンスの歴史や特徴などをご紹介してきました。
「タップダンスを始めたい!」「子どもに習わせてみたい!」「ダンス未経験だけど気になる!」「他のジャンルのダンスも習ってみたい!」という方からよく聞く質問にお答えしていくので、ぜひご参考くださいね。

Q.|初心者でもタップダンスはできる?

もちろん大丈夫です!

大抵のダンスは「形を見せる」ことに特化していますが、タップダンスで大切なのは「音を聞かせる」こと
全く別のものなので、それまで一度もダンスに触れたことがなくても大丈夫です。
聴くだけでズレているかどうかがわかる「音」を意識するタップダンスは、初心者向けであるとも言えます。
まずは、タップシューズでリズムを刻むことに慣れていき、そこから自分を表現する術を覚えていきましょう。

Q.|タップダンスが向いている人ってどんな人?

比較的、向き不向きはないジャンルです。

趣味は楽しむことが大事。
好きになることができれば、向き不向きは特に関係ありません
中でも、以下の4つに当てはまる人は、タップダンスを一層楽しむことができるでしょう。

  • ①|音楽が好き

タップダンスは、ダンスであると同時に、音楽であると捉えてください。
音楽を聴くのが好きだったり、楽器を演奏したことがある人は、音楽を感じる能力に長けているので、比較的早くタップダンスが上達する人は、音楽が好きな場合が多いです。

  • ②|日々の基礎練習をコツコツ継続できる

運動神経が低い人でも、練習を続けることさえできれば、タップダンスは上手になります。
そのため、センスや才能だけである程度上手くできるタイプの人は、途中で成長が止まってしまうケースが多いのです。
タップダンスの基礎ステップには地味なものが多いので、そのような練習を地道に続けられる人こそ、タップダンスを楽しめるでしょう。

  • ③|指導やアドバイスを素直に受け入れられる

「足でリズムを刻む」ということは、日常ではあまりしないことですよね。
普段しない動きをするときには、正しいやり方を理解するまでが大切です。
そのため、できないことを受け入れて、指導者のアドバイスを素直に実践できる人は、上達への近道を辿ることができます。

  • ④|自主的に行動できる

少しの時間でも、裸足であっても構いません。
次のレッスンまでに、前回のレッスンの復習を進んで練習できる人は、上達が早いです。
上達していくのを自分で感じられると、モチベーションが高まっていくので、もっと練習したくなることでしょう。
そうしたループを続けられると、タップダンスが楽しくなるのです。

Q.|タップダンスは独学でできる?

A.|できます。でも、おすすめはレッスンに通うこと。

昨今、タップダンスのHowTo動画がYouTubeなどに上がっています。
タップダンスが気になっていても、続けられるか心配だったりすると、独学でタップダンスができるようになるか、気になりますよね。
結論から言うと、独学でもタップダンスはできます
しかし、独学で始めるのは、以下の理由でおすすめできません。

  • ①|基礎が疎かになり、変なクセがつく

講師のレッスンを受けないで始めると、基礎が身に付かないので、変なクセがついてしまう可能性が大きいです。
基礎を疎かにしたタップダンスは、音に上手くハマらないぎこちない踊りになるのです。

  • ②|怪我をしやすい

先程ご紹介したステップは、初心者向けのもの。
しかし、力の掛け方が難しいので、力任せになりやすく、怪我をするリスクが高まってしまいます

  • ③|思った以上に労力と時間がかかる

タップダンスを独学するとしたら、教則本、教則DVD、YouTubeなどが中心になることでしょう。
しかし、大抵のものは、基礎の基礎を紹介しています。
中級者向けのものは数が少なく、探し出すだけでも苦労するかもしれません。
例えコンビネーション技を解説している動画を見つけたとしても、コマ送りやスロー再生したり、巻き戻したりと、思った以上に時間が掛かってしまいます

  • ④|モチベーションを保つのが難しい

一般的に、教室に通って他人と一緒に習うことでモチベーションは保たれますが、独学ではそれができません。
独りでモチベーションを保つほどのやる気を起こすのは、なかなか難しいでしょう。

タップダンスを独学で続けるのは無理ではありませんが、キレイなステップを怪我することなく短期間に覚えたいと思うなら、ぜひレッスンに通ってみてください
様々な事情でレッスンに通えないという方は、労力を惜しまずにひとつひとつ丁寧に覚えるようにしましょう。
その時、鏡で自分の動きを見たり、誰かに見てもらったり、動画に撮って後で見直したりと、練習法を工夫してくださいね。

Q.|タップダンス教室を選ぶポイントは?

A.|目的に合った教室かどうか。

未経験者クラスが良いか、上級者クラスが良いか、リズムタップが良いか、シアタータップが良いか、月謝制が良いか、オープンクラス制が良いか…。
悩むポイントはたくさんあると思いますが、自分がタップダンスをやりたい、もしくは続けたい目的をきちんと見定めて、そこに向かうことができる教室を選んでください。
体験レッスンがある教室なら、一度行ってみると、調べただけではわからない教室の雰囲気や講師との相性がわかるはずです。

Q.|タップダンスが上達するコツは?

A.|基本ステップを反復練習する。

この記事で何回も申し上げた通り、タップダンスで最も大事なのは基礎
基本のステップを繰り返し練習して、正確に覚えてから次のステップに進むと、リズミカルで美しいタップダンスを踊れるようになります。
それもすべて、タップダンスの上級ステップが、基本ステップの組み合わせだからです。
ひとつひとつ積み重ねるようにして、基本を固めてくださいね。
焦っていきなり難しいステップに挑戦するよりも、効率良く上達できます。

まとめ


華麗な足捌きで奏でられる音楽。
タップダンスの魅力が伝わったでしょうか?
近年、ダンス全体の人口は多くなっていますが、タップダンスの人口はまだまだ少ない状態です。
難しそうなイメージや、準備にお金の掛かるイメージがあるかもしれませんが、意外にも簡単に始められるので、ぜひタップダンスの扉を開いてみてください。
新しい趣味を始めたい人にとっても、他ジャンルのダンスを学びたい人にとっても、奥深いタップダンスはとても楽しい世界に見えるはず!