ツイスト(ダンス)のやり方から曲まで解説|ロカビリーとの関連は無い?

ツイストダンスに関する情報をお探しでしょうか。今となっては、昭和ヤンキーが踊っていたというイメージのあるジャンルですが、今でもツイストダンスの文化は日本で生きています。本記事は、ツイストダンスとロカビリーの関連から、基礎や曲に至るまで総合的に解説しています。

本記事からツイストダンスを知ることによって、ダンスとその背景をイメージしやすくなるでしょう。ツイストダンスは、どんな特徴があって、どんなジャンルになるのか?など、総合的に知ることによって、自分に合っているダンススタイルなのか?どう楽しむのか?などの疑問を解決するきっかけになるはずです。

気になる方は、ぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

ツイスト(ダンス)とは

twist

「ツイストダンスって、昭和時代のヤンキーがやっていたものでしょ?」と簡単にイメージしてしまう方もいるかもしれません。しかし、ただヤンキーが踊っていたということではなく、実は歴史的背景があるのです。

昭和ヤンキーに大流行?ツイストダンスの歴史

日本では、1980年代に「第2次ロカビリーブーム」がありました。そのブームの特徴的な要素の1つに「ツイスト(ダンス)」があったのです。ちなみに「フィフティーズ(50’s)系」とも呼ばれます。そして、このブームに乗っかって路上で主にロカビリーを流して踊る若者たちは「ローラー族」と呼ばれました。その特徴は、1950年代を想像させるファッションでホコ天(歩行者天国)ツイストを踊るというものでした。

第2次ロカビリーブームでの1950年代ファッションは、男性ならロックンローラーのような格好でリーゼントの髪型に革ジャンを羽織るスタイル。女性なら、ポニーテールの髪型にサーキュラースカートというスタイルが流行ったのです。その見た目は、いわゆるヤンキーのようであり「ロカビリー」「ツイストダンス」「ヤンキー」の3つの言葉が繋がるイメージを定着させていったと考えられます。

ツイストダンスの特徴

ツイストダンスは、単純な動きであることが特徴です。特に技などがある訳ではなく、つま先を中心にして腰や肩を捻る(ツイスト)動きをします。それだけでもツイストダンスが成立するので、ダンス未経験者でも楽しみやすく、取り組みやすいダンスだと言えるでしょう。また、ツイストダンスは1950年以前に流行ったジルバ(社交ダンスの1種)のようにペアになって踊らなくても良い特徴があります。カップルで向き合っていても、お互いがぶつからない程度の距離を保ってダンスをします。

映画「ツイスト!(Twist)」を参考にすれば、1950年代では、まだ振り付けの決まった形式的なダンスをするのが主流な雰囲気があったため、ツイストのように決まった形のないフリーなスタイルは非常に画期的な特徴を持っていたと想像できるでしょう。この自由で簡単なダンススタイルは、時代背景も相まって、今でも踊るならフリーで楽しい雰囲気を纏っているのも特徴の1つではないでしょうか。

ツイストダンスのやり方

dance

ダンスの基本は、つま先を中心にして腰や肩を捻る(ツイスト)動きをするだけです。その他の捻る動き以外の基本動作としては、簡単なステップがあります。腰を捻る時に片足重心にし、体重をあまりかけていない方の足を「踵→つま先→踵→つま先」もしくは「つま先→踵→つま先→踵」の順に床に触れさせるようにステップをします。このステップを習得することで、移動をしながらダンスをすることができるようになるでしょう。

「捻る」動きと「ステップ」の2つだけで十分に楽しくカッコよく踊ることはできますが、さらにもう1つ「キック」の要素を加えるとより複雑になりカッコよさが増します。ステップの「踵→つま先→踵→つま先」と交互に足を床に触れさせながら踊っている中で「つま先」が触れる部分を足を引き上げる動作に変えます。そうすることで「踵→引き上げ→踵」という動きに変わるため、キックしているように見えるのです。

キックを気持ちよく、カッコよく見えるタイミングで入れ込むとよりツイストダンスを魅力的に見せられることでしょう。

ツイストとロカビリーの関係

50s

日本においてロカビリーという言葉が初めて使われたのは1950年代後半だったとされています。1950年代にアメリカで流行したのはロカビリーのみではなく、ロックンロールやティーンポップというジャンルもありました。それらを日本で表現する際に、十分にジャンル分けされず、曖昧なまま表現されました。それによって、日本ではツイストという実はロックン・ロール系である音楽とロカビリーの線引きが分かりくい状態になったのです。

また、1950年代後半〜1960年代と日本に第1次ロカビリーブームを巻き起こす以前から存在していたロックン・ロールと差別化を図るために「ロカビリー」というネームを用いたとも考えられています。それは「日劇ウエスタンカーニバル」という音楽フェスティバルで新たなロカビリーというジャンルのブームを巻き起こすために用いられた戦略的なロカビリーというネームの活用だったとされています。

実際、1950年代のアメリカではロックン・ロールの流行と共にジルバやバップというダンスが流行り、1960年代前半に「ツイスト」の音楽とダンスが流行しました。つまり、実際はロカビリーとツイストに関連性はなく、日本で2つが混ざってしまったのです。さらに1980年代の「オールディーズ(1950年代〜1960年代のヒット音楽)」の流行により、要素が複雑に絡み合い、ロカビリーでツイストを踊るという日本独自の文化が生まれたのかもしれません。

ツイストダンスを踊るならこの曲!5選

Record

踊れるロックン・ロールこそがツイストです!今回は、ツイストの有名な楽曲を5つに絞って紹介します。全て、テンションの上がる楽曲ばかりで、ツイストしたくなること間違いなしです!

Sam Cooke - Twistin’ The Night Away

「Twistin!」という歌詞が耳に残り、その部分でツイストしたくなるような高揚感を起こさせる楽曲です。管楽器の音のインパクトが強く、軽快でアップテンポなノリの強い楽曲であるため、テンション高めで踊るにはうってつけでしょう。

Hank Ballard – The Twist

チャビー・チェッカー(Chubby Checker)の「The Twist」から始まって大きなツイストブームを巻き起こしたとされていますが、実はチャビー・チェッカーの曲はカバー曲であり、ハンク・バラード(Hank Ballard)が原曲です。

Chubby Checker - The Twist

ツイストブームを巻き起こしたチャビー・チェッカーの有名な楽曲です。軽快な音楽と渋いボーカルの組み合わせが絶妙ですね。カバーといえど、ハンク・バラードと声が似ているため、ちょっと聞いただけでは聞き分けにくいかもしれません。実は、声が似ているからカバーしたという逸話もあるようです。

Chubby Checker – Let’s Twist Again

こちらはカバーではなく、もともとテレビタレントであったチャビー・チェッカーのオリジナル楽曲です。なんと、長期間の間ヒットチャートで1位に居座り続けた記録があり、ツイストといえば「Let’s Twist Again」と言われるまでになりました。

かっこいいツイスト – 弘田三枝子

ポップスの女王と呼ばれた通称MICOの楽曲です。実は、オリジナル楽曲ではなくリチャード・アンソニーの「La Lecon de Twist」のカバーです。日本語でありながら、グルーヴ感を上手く表現し、力強い歌唱はツイストを踊りたくなること間違いなしでしょう。

ツイスト(ダンス)に関するQ&A

Q&A

さまざまなツイストダンスに関する情報を紹介してきたところで、良くある質問についての解答をしていきます。ツイストダンスの練習や衣装について主に説明していきますので参考にしてください。

ツイストダンスの踊り方はどうやって練習する?

ツイストダンスの練習方法は、独学でするのが主になりやすいかと思います。スクールなどは存在していますが、ストリートダンスほど数は多くありません。スクールに通うのであれば、かなり限定的な場所になるため、検討する必要があるでしょう。独学で練習するにしても、最近は練習動画も普及しており、ハードルは低くなっています。また、ダンスの技などが多いジャンルではないため独学から練習を始めるのも良いかもしれません。

ツイストダンスは、一般的にパーティ的に楽しむものであり、ダンスバトルのような文化はあまり無いようです。コンテストや発表会があり、ストリートで踊る文化があるため、それらを楽しむことが目的になる方が多いのではないでしょうか。

また、ダンスコミュニティに参加してストリートで教わるというのも良いかもしれません。これは少しハードルが高くなるかもしれませんが、ダンス文化から明るくて参加のしやすいコミュニティが多い印象があります。

直接ダンスを教わるのと、自己学習では、やはりダンスの感覚を掴むのには差が生まれます。他者に習うことで、上達が早くなる可能性は高いです。また、楽しむための仲間探しも練習のためには大切だったりします。

ツイストダンスの衣装はどうすれば良い?

第2次ロカビリーブームでの50’sファッションは、男性ならロックンローラーのような格好でリーゼントの髪型に革ジャンを羽織るスタイル。女性なら、ポニーテールの髪型にサーキュラースカートというスタイルと紹介しました。この基本スタイルはあまり現代のツイストダンサーも変わらないようですが、ジージャンスタイルをしてみたり、女性が革ジャンを着ることがあったりと少し多様化している様子です。

ファッション小物でいえば、カッコよさを出すためのサングラスは一般的に用いられています。女性は、リボンやカラフルなバンダナを付けたりして可愛らしさを演出します。現代のツイストダンスのファッションは50’sの雰囲気を出しつつも現代のオシャレさを組み合わせるようなスタイルが多いようです。レトロファッションや原宿ファッションのような衣装を用いつつ、サイズ感などでオシャレさが追求されています。舞台などであれば、曲目によってドレスを用いることもあるようです。

一般的な現代のツイストダンスの衣装スタイルは以上に紹介しましたが、実際、髪型や衣装はかなりTPOに左右されるでしょう。ダンスのコンセプトが重要になってきます。

コンテストなどであれば、全員が同じ衣装で揃えることもありますが、テーマだけ決まっていて、衣装や髪型の自由度が高い場合は、メイクや体型、ダンススタイルに合わせて、それぞれファッションも異なってきます。その他にも、練習に行く場合によっても服装選びは異なるでしょう。練習であれば、服装は自由です。テンションの上がるファッションであれば良いでしょうし、動きやすさを重視するのも良いでしょう。

TPOを意識しつつ、自分の体格やダンススタイルの中でファッションを決めていくのが大切になるでしょう。服装のサイズ感からブランドに至るまでさまざまであり、自分のファッションスタイルを見つけていくことも大切です。

まとめ

ツイスト(ダンス)について網羅的に解説してきました。ツイストダンスは、簡単に取り組めることが特徴的なダンスジャンルです。しかし、その中でもファッションや踊り方には個性が現れるものです。自分自身のダンスの楽しみ方を見つけられると良いのではないでしょうか。

また、日本におけるツイストダンスの歴史は、当時の時代背景が色濃く反映されており、日本独自の文化を持っています。オールディーズと呼ばれる領域を含め、ツイストダンスについて学ぶと、よりツイストダンスを楽しめるでしょう。

ダンスは、キッズから大人まで、何の準備も要らずに体1つで楽しむことができます。好きなダンスやスタイルを見つけてみて挑戦してみてはいかがでしょうか。