クラシックバレエを始める前にコレは押さえておこう!基礎知識を徹底解説!

可愛らしいチュチュを身に纏い、トゥシューズを履いて舞台を美しく跳び回るバレリーナ。
女の子の憧れが詰まったようなダンスですね。
「習ってみたい!」というお子さんや、「幼い頃に習えなかったから、子どもに習わせてあげたい!」という親御さんの中には、「習いたいけど、敷居が高い気がしてしまう…。」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、昨今、クラシックバレエは年齢層を問わない習い事として人気を博しています。
プロのバレリーナを目指す若い方だけがレッスンを受けているのではなく、スキマ時間に趣味としてレッスンを受ける大人の方も増えてきているのです。
また、「あらゆるダンスの基礎」とも言われているので、他のジャンルのダンスのレッスンを受けながら、クラシックバレエを習う人もいるほど。

この記事では、クラシックバレエを習う上で覚えておきたい基礎知識をご紹介していきます。
ぜひ、クラシックバレエ入門者への一歩を踏み出してくださいね!

クラシックバレエとは


「バレエ」とは、物語性を持ちながらも、台詞や歌詞が無い舞踊劇のこと。
踊り、音楽、美術、衣装、舞台、照明、効果など、舞台上にあるすべてを含めた総合芸術です。
この定義を基本としながらも、バレエは時代により様々な変化を遂げてきました。
そうして生まれたのが、「クラシックバレエ」「モダンバレエ」「コンテンポラリーダンス」です。
それらの中でも、クラシックバレエは、古くから厳格に定められた形式を重んじています。
「古典的なバレエ」という直訳そのままに、伝統的な技法を踏襲した振り付けで踊ることが特徴。
即興作品は限りなく少なく、1曲毎に振り付けや衣装が指定されているということですね。
そして、このクラシックバレエこそ、バレエの原点なのです。

クラシックバレエの歴史

クラシックバレエは、イタリアで生まれ、フランスで発展し、ロシアで成熟しました。
現在では様々な国に伝わり、世界中の人々がバレエを楽しんでいます。
バレエを習っていたり、観たことがある人でも、その歴史を深く知っている人は少ないかもしれません。

まずは、500年も前に発祥したバレエの歴史を紐解いていきましょう。

バロック・ダンス

15世紀、イタリアがルネサンス期と呼ばれていた頃に、王侯貴族の館では舞踏会が開かれていました。
そのパーティーの余興として上演されていたのが、演劇、詩の朗読、歌詞付きの音楽、舞踊が混ざり合った「バロ」と呼ばれる催し
貴族たちが広間の床に図形を描くようにゆっくりと歩く様子や、そのフォーメーションを、バルコニーから眺めることが楽しまれていました。

15世紀の終わりには、レオナルド・ダ・ヴィンチなどの美術史に名を残す巨匠たちが装置と衣装を手掛け、大掛かりな「バロ」が次々と上演されます。
このような催しが盛んとなり、フランスの宮廷にバロが伝わっていくのです。

宮廷バレエ

16世紀、フランスに伝わったバロは大きく発展します。
1533年に、イタリアの有名貴族・メディチ家に生まれたカトリーヌ・ド・メディシスが、フランス王アンリに嫁いだことがきっかけとなりました。
カトリーヌは、幼い頃からバロを愛しており、宮廷内で何度も舞踏会を開催。
これにより、フランス国内にバレエの魅力が伝わり、バロはフランス独自の発展を遂げていったのです。
そして、当時流行していた世俗合唱曲に「バロ(Ballo)」の踊りを加えたものを「バレット(Balletto)」と呼ぶようになり、これが「バレエ(Ballet)」へと変化しました。
カトリーヌの輿入れ後、16世紀末から17世紀初頭までの20年間で、およそ800のバレエ作品が上演されたと言われています。
バレエがフランスの宮廷内で爆発的な人気となったのがわかりますね。

さらに、ルイ14世の功績が、さらにバレエを発展させます。
ルイ14世も無類のバレエ好きで、熱心にバレエの保護と育成に力を注いだ他、自身も舞台に立っていました。
『夜のバレエ』という作品に出演したときに、太陽の役を演じたことをきっかけに、「太陽王」と呼ばれるようになったのだとか。
1661年にルイ14世が王立舞踊アカデミーを創設すると、バレエの技術はますます向上します。
この頃、バレエで重要な5つの足のポジションが体系付けれました

パリ・オペラ座

1670年に引退したルイ14世は、1671年にパリ・オペラ座を創設。
これを機に、舞台が宮廷から劇場へと変わり、バレエはプロのダンサーが踊るように変わっていきました。
さらに、1713年にパリ・オペラ座バレエ学校が開かれたことにより、ダンサーだけでなく、舞台芸術に関わる人もプロフェッショナル化
バレエは新しい芸術として大成功を収めたのです。

現在では、バレエダンサーと言うと女性が多数を占めていますが、この頃のバレエは、ルイ14世のように、男性が踊るものとされていました。
1681年、ラ・フォンテーヌが初めて女性ダンサーとして登場し、1713年、マリー・カマルゴが男性のみの技法であった跳躍を成功させたことを機に、女性ダンサーが人気を博すと共に、その数も増えていったのです。

バレエ・ダクシオン

18世紀初頭のバレエは、オペラにバレエを取り入れた「オペラ・バレエ」と呼ばれるもの。
踊り自体にストーリー性は無かったため、オペラに付属する形でしたが、18世紀中頃にオペラから独立しました。
ダンスとマイムのみで物語を表現する「バレエ・ダクシオン」が大成功を収めたことが契機となったのです。
舞台演劇として認められるようになると、多数の教則本が出版されるほどに、バレエの技術は複雑化していきました。

ロマンティックバレエ

王侯貴族のものとされていたバレエが、1789年のフランス革命を受けて庶民も嗜むようになったことで、生み出されたのが「ロマンティックバレエ」です。
神秘的で非現実的な世界が舞台になることが多く、『ラ・シルフィード』や『ジゼル』では、妖精と人間の恋物語が、『海賊』や『パキータ』では、異国での冒険物語が描かれています。
バレエ・ダクシオンの影響もあり、ストーリー性を重視していることも特徴のひとつです。

バレエの象徴とも言える「トゥシューズ」が登場したのも、ロマンティックバレエの時代。
1832年、マリー・タリオーニがトゥシューズを履き、『ラ・シルフィード』の妖精役を演じました。
軽やかに宙に浮くような表現力と、ポワントで踊る技法が瞬く間に浸透し、「バレエはトゥシューズを履くもの」という認識が定着したのです。
また、衣装にも変化が訪れます。
超絶技巧を求める観客の声に応えたダンサーたちが、上げる脚の高さ、跳躍の高さ、回転の回数を競うようになったことで、装飾に溢れた重たい衣装が簡略化。
ふわふわとした膝下ほどの長さのある「ロマンティック・チュチュ」が出来上がったのです。

クラシックバレエ

ロシア皇帝は、1738年にバレエ学校を創設するほどに、フランスから流入してきた宮廷バレエを積極的に庇護していました。
しかし、ロマン主義の衰退と、1873年にパリ・オペラ座が火事の消失が原因で、フランスのロマンティックバレエは廃れてしまいます。
一方、ロシアでは、この時代にもロマンティックバレエが踊られていて、独自の発展を遂げたのです。
このバレエを「クラシックバレエ」と呼んでいます。
ストーリー性を重視したロマンティックバレエに対して、物語とは無関係のダンスシーンを取り入れたクラシックバレエ。
1847年、フランスから招かれた振付家、マリウス・プティパにより洗練された「ダンス・クラシック」という技法が、現在のクラシックバレエの型となっています。
その技法のひとつが「グラン・パ・ド・ドゥ」。
「アントレ」という入場から始まり、男女で組んで踊る「アダージョ」、男性のヴァリエーション、女性のヴァリエーションと続き、ふたりで華やかに踊る「コーダ」で終えるという構成は、今も変わりません。
また、ダンスとマイムが分離されたこと、コール・ド・バレエと呼ばれる群舞が出来上がったことも、彼の功績によるものです。
さらに、ロシア人の作曲家、チャイコフスキーの曲をプティパが振り付けした3大バレエ『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』が大ヒット。
ロシアバレエの黄金期を築き上げました。

クラシックバレエの特徴のひとつに、ロマンティックバレエとは全く違う衣装を着ていることがあります。
グラン・パ・ド・ドゥを始めとして、高度で複雑な動きが多く、その脚の動きの美しさを魅せるために、裾が傘のように広がった「クラシック・チュチュ」が出来上がったのです。

現在のバレエ

クラシックバレエは、芸術点のあるようなスポーツと縁が深く、フィギュアスケートや新体操の選手はクラシックバレエの訓練を受けることが多くなってきています。
また、宝塚音楽学校をはじめとした舞台俳優を養成する組織では、クラシックバレエが必修となるほど。
厳格なルール上で古典作品を演じるクラシックバレエは、ダンスの基礎としての評価を受け、愛されているのです。
一方で、「モダンバレエ」や「コンテンポラリーダンス」など、クラシックバレエのルールを崩した新しいバレエのスタイルも増えており、バレエ界は現在も発展しています。

クラシックバレエのメリット


歴史から見ていくと、クラシックバレエは格式が高く見えてしまうかもしれませんね。
しかし、クラシックバレエは何歳からでも始められる気軽な習い事へと変化しているのです。

次に、バレエ以外のことにも活かすことのできるメリットを7つご紹介します。

①|キレイになる

バレエを始めて最初に教わるのは、「立つ姿勢」です。
背筋を真っ直ぐにして、足の裏でしっかりと地面を踏む…。
言葉にすると、とても簡単なことに聞こえますが、普段の日常生活では、意外と気にしないことなのです。
とはいえ、一度身に付けた姿勢は身体からなかなか抜けなくなるもの。
バレエを続けることは、身体の様々な部分をキレイに保つことに繋がります

キレイになるポイント
  • 猫座が改善されて姿勢が良くなる
  • 身体のラインが引き締まる
  • 美しい所作が身に付く
  • いつまでも若々しくいられる
  • 自己管理の意識が高まる
  • 自分の魅せ方がわかる

②|全身の筋トレになる

脚を上げたり、回転したり、ジャンプするときには、正しい基本姿勢の意識が必要。
そのため、バレエのレッスンは必ず左右対称に行います。
これが全身の筋肉を鍛えることに繋がる他、肩こりや腰痛などの改善に繋がるのです。
片足立ちのままバランスを取る動きも多いため、インナーマッスルも鍛えられます。
背筋を伸ばし、お腹を引き上げ、お尻を締め、肩周りの力を抜く姿勢を常にできるようになる頃には、体幹も鍛えられているはず。
バレエ以外のスポーツにも役立つことでしょう。
また、男性の踊りは、女性よりも激しいジャンプや回転が入ってくるので、持久力や身体能力が向上します。
「ムキムキよりも引き締まった身体になりたい!」と思っている方には、クラシックバレエをオススメです。

③|ケガを防ぐ

「バレエを習っている人は身体が柔らかい」というイメージをお持ちの人は少なくないでしょう。
これは間違いではありません。
レッスンを続けているうちに、柔軟性が磨かれていくからです。
バレエでは、上半身を前後左右に倒したり、脚を付け根から外側に開いたり、腕を大きく回したりと、身体の様々な部位を伸ばす必要があります。
そのため、身体を温めることを欠かすことができず、正しいストレッチを学ぶ必要があるのです。
こうして日々ストレッチを繰り返すことで、ダンサーはケガを防いでいます

④|気分をリフレッシュできる

バレエのレッスンは、クラシック音楽に合わせて優雅に身体を動かす時間。
日常を忘れることができるため、気分転換になったり、心と体の状態を上手く調整したりすることができるのです。
また、自分ではない何かを演じて踊ること、音楽に合わせて身体全体で音楽を表現すること、音楽と一体化することは、バレエを習って初めて得られる経験と言えるでしょう。

⑤|精神的に成長できる

子どもたちが幼い頃からバレエを学ぶと、精神的に成長できる機会が多くあります。
伝統に従って踊ることは、ルールに沿うことの大切さを学ぶことができるからです。
また、バレエのレッスンは、一般的に1時間~1時間半ほど掛かるため、その間、集中を切らさないことも重要。
これは、バレエだけでなく、勉強や仕事などでも役立つ力です。

精神的な成長を感じるポイント
  • ルールを守る
  • 集中力が鍛えられる
  • 忍耐力が上がる
  • ひとつのことをやり遂げる力が養われる
  • 協調性が身に付く
  • 周りへの配慮ができる
  • 礼儀作法を学べる

⑥|自分に自信が持てるようになる

これまでに挙げたメリットは、どれも自己肯定感も高めてくれる要素になっています。
自分に自信が持てるようになるだけで、性格までもが明るくなることもあるのだとか。
また、発表会などの人前で踊りを披露する経験を通じて、度胸を身に付けることもできます。
クラシックバレエは、自分を変える契機になることでしょう。

⑦|芸術性が育まれる

バレエは総合芸術です。
ジムなどで単調に筋トレするわけではないので、バレエ特有の芸術性に触れながら筋トレに励むことができるのです。
「一般的な筋トレでは飽きてしまう」という方でも、芸術を共に楽しむことができたら、継続した筋トレができるかもしれません。
また、自身で踊るだけでなく、他者の踊りを鑑賞することで芸術を感じられるのも、バレエの良いところ。
時に軽やかに、時に力強く舞う姿は、バレエ特有の世界観に引き込んでくれることでしょう。

クラシックバレエの基礎知識


長い歴史と、様々なメリットを持つクラシックバレエ。
その魅力は伝わってきたでしょうか?

ここからは、初めてクラシックバレエを習う人が覚えておくと得をする基礎知識をご紹介します。

レッスンの流れ

クラシックバレエのレッスンの流れは、なんと世界共通。
3部構成に分かれています。

①|ストレッチ

まずはウォーミングアップから始めます。
全身運動のクラシックバレエをする前に、全身の筋肉をほぐしておくことは、とても重要です。
ただし、慣れない頃に無理をするのは禁物。
身体の柔軟性は、一朝一夕では身に付けることができませんから、手足を伸ばしすぎて身体を痛めないように気をつけてください。

②|バーレッスン

ストレッチの後は、基礎的なレッスンに移行します。
稽古場に張り巡らされている手摺りのような棒「バー」を掴んで、基本動作を繰り返して学ぶ過程がバーレッスン。
正しい姿勢と動作を身体に刷り込んでいくのを目的としているため、負荷の小さな動きから大きな動きへと進んでいきますが、その内容も世界共通です。

③|センターレッスン

バーから離れ、何も掴まらずに踊る過程がセンターレッスン。
数名ずつに分かれて、ステップやジャンプを練習していきます。
鏡を見て自分の動きを確認したり、先生や他の生徒さんの動きを見ることで、上達に繋がります。
バーレッスンと大きく異なる点は、ステップやジャンプ、回転などを組み合わせた、身体を大きく移動させる複雑な動きを求められるようになること。
教室によって、最後はヴァリエーションや発表会の練習をするところもあります。

覚えておきたい用語

「型」の決まっているクラシックバレエには、どの教室でも必ず使われる大切な用語がたくさんあります。
その中でも、最初のレッスンから使える用語をご紹介します。

アン・ドゥオール(En Dehors)

意味は「外側へ」。
両足を外側に開くという、バレエの基本姿勢を指します。
180度開くのが理想とされていますが、最初はできません。
徐々に慣らしていきましょう。
コツは、足首から開くのではなく、両足の付け根から足先までを外側に向け、足裏をしっかりと地面に付けておくこと。
無理して足先を広げて、足裏が地面から浮かないようにしましょう。

足のポジション

世界共通のポジション。
1番から6番まで、6つのポジションが決まっています。

【1番】
両足の付け根から踵までをぴったりとくっつけながら、外向きに開きます。
このとき、足を開く角度は左右対称にしましょう。
また、背筋を伸ばして両膝と内ももを付けるようにすると、身体が引き上がり、キレイな形になります。

【2番】
1番から片足ずつ広げた形です。
幅は、自分の足の長さひとつ~ひとつ半程度
この状態で、膝を曲げることなくつま先立ちができること、重心が足の真ん中にあることを確認してください。

【3番】
1番の形のまま、片足の踵をもう片方の足の土踏まず辺りまでスライドさせた形。
3番から5番は、足が前後に位置するのが特徴です。
つまり、右足が前になることもあれば、左足が前になることもあるということ。
先生が指示したポジションが、どちらの足が前になるかを確認してください。

【4番】
3番で前にある足をさらに前に出し、平行になるように広げてください。
両足の間に足ひとつ分のスペースを作ること、正面から見たときに、それぞれの踵とつま先が重なって見えることが大切です。
お尻や内ももを引き締める意識を持つと、上半身がねじれません。

【5番】
4番から前後の踵とつま先をくっつけた形です。
両足の隙間を無くして、ぴったりとくっつくのが理想ですが、最初からはできません。
足を平行にするよりも、骨盤を捻らずに正面を向く方が大切です。

【6番】
別名「パラレル」。
両足の間の隙間が無くなるようにぴったりと揃えて前に向けます。
ただ立っているだけのように思えるかもしれませんが、お尻や内ももを引き締める意識を忘れないでください。

ポール・ド・ブラ(Port de Bras)

「腕の運び」。
足と同じく、腕にもポジションがあります
こちらは番号ではなく名前が付けられているので、徐々に覚えていきましょう。

【アン・バー(En Bas)】
「下に」。
両腕を下げたところで、楕円を作るようにします。
手先の間はげんこつひとつ分
肘は後ろではなく、横に向くようにしましょう。

【アン・ナバン(En Avant)】
「前に」。
アン・バーの形のまま、みぞおちの高さまで上げます。
腕と一緒に肩まで上がらないように注意してください。
デコルテが美しく見えるように、型から指先まで滑らかに伸ばしましょう。

【アン・オー(En Haut)】
「上に」。
アン・ナバンの形のまま、頭の上まで腕を上げましょう。
手先は、頭の真上ではなく、視界に入るくらいまで前側に傾けるのがポイント。
肩は下げて、首を長く見えるようにしてください。

【ア・ラ・セコンド(A La Seconde)】
「第2ポジションに」。
2番の足のポジションが足を横に開くように、ア・ラ・セコンドも腕を横に広げます。
腕は伸ばしきらず、肘に丸みを持たせて、肩から手首までのラインが自然にカーブするのが理想です。
肘は肩よりも後ろに行ってはいけません。

足の状態

足を地面に付けているだけではないため、足の状態にも名前が付いています。

【ア・テール(A Terre)】
つま先を含め、足裏全体を地面に付けて立っている状態。

【ドゥミ・ポワント(Demi Pointe)】
ア・テールから踵を持ち上げ、つま先立ちになった状態。
端的に言うと、背伸びの状態ですね。
ドゥミ・ポワントからポワントに移行する動作のことは「ルルヴェ(Relevé)」と呼びます。

【ポワント(Pointe)】
つま先を伸ばし、1点だけで立っている状態。
主にトゥシューズを履いて立っているときに使うため、トゥシューズそのものが「ポワント」と呼ばれることもあります。

ステップの組み合わせ

「ステップ」という言葉自体は、バレエでは使いませんが、それが組み合わさっていくと、名称が変わっていきます。

【パ(Pas)】
「動き」。
英語で言うと「ステップ」のこと。
バレエにおいて、「パ」が動きの最小単位を表しており、ポジションからポジションへの動きを指します。

【アンシェヌマン(Eenchaînements)】
「繋がり」。
2種類以上のパをパが組み合わさって、一連の動きにまとめられたものを指します。
つまり、レッスンでは、いくつものアンシェヌマンを練習しているのです。

【ヴァリエーション(Variation)】
ソロの踊り。
バレエでは、主役級の踊りに使われる名称です。
女性はポワントのテクニックを駆使して、しなやかさや優雅さを、男性は激しいジャンプや回転を繰り返して、力強さを表現するものが多くなっています。

【パ・ド・ドゥ(Pas de Deux)】
男女2人で踊ることを指します。
多くの作品では、パ・ド・ドゥが見せ場。
同性2人の踊りには、「デュエット」という言葉を使います。

【グラン・パ・ド・ドゥ(Grand Pas de Deux)】
「グラン」は「大きな」という意味。
その作品の最大の見せ場です。
プティパの編み出した形式に沿うことで、男女両方の見せ場を作り出しています。

【コール・ド・バレエ(Corps de Ballet)】
「群舞」。
または、群舞に参加するダンサーのこと。
「その他大勢」と勘違いされがちですが、美しいコール・ドが無ければ、バレエ作品は成り立ちません
それほど重要な立ち位置なのです。

クラシックバレエの代表的なパ


基礎知識をご紹介しましたが、「どうすれば美しい踊りになるのだろう?」「上達の秘訣は何?」と思っている方もいることでしょう。
ぜひ、以下のポイントを意識しながら、次にご紹介する代表的なパを練習してみてください。

美しい踊りにするためのポイント
  • 頭のてっぺんから糸で引っ張り上げられている意識
  • 足裏全体で立って床を押す
  • 腰から背中を垂直に
  • お尻とお腹を引っ込める
  • 肩・首・腕は力まずに柔らかく使う
  • いずれかのポジションを通って腕を動かす
  • 肘を伸ばさない
  • 指先はキツネのイメージ
  • ひとつひとつの動作を丁寧に
  • 呼吸を大切に
  • 鏡を見て全身の姿勢や動作を確認

プリエ(Plié)

「折りたたむ」。
膝を曲げて屈伸をするような動きです。
ジャンプや回転をするときに、プリエで踏み込むことでエネルギーを得て、プリエで着地することでエネルギーを吸収させます。

タンジュ(Tendu)

「張った」。
片足を床にこすりながら出して、つま先を伸ばす動きです。
足が伸びきったと思っても、伸ばす意識を止めないでください。

ジュッテ(Jete)

「投げる」「放り出す」。
種類がいくつかありますが、どれも「足を投げ出す」ような動きになっています。
足を鋭く出した後、キープの意識よりも遠くに引っ張る意識をすることがコツです。

パッセ(Passe)

片足で立ち、もう片方の足のつま先を膝に付けます。
回転するパには欠かせません

シャンジュマン(Changement)

「交換」。
5番ポジションから踏み切って真上に飛び、足を交換して着地します。
大切になるのは、踏み切る前と着地の際のドゥミ・プリエ。
それぞれ、踵をしっかり地面に付けてください。

パ・ドゥ・シャ(Pas de Chat)

5番ポジションから片足ずつ膝を曲げて飛び上がり、片足ずつ着地して5番ポジションに戻ります。
「猫のステップ」の意味のように、何かを軽やかに可愛らしく跳び越えるイメージです。

アラベスク(Arabesque)

「唐草模様」という意味で、永遠に続くものの象徴です。
片足で立ち、もう片方の足をまっすぐ後ろへ上げるという単純な形に思えますが、足と腕の組み合わせで4通りあります。

アチチュード(Attitude)

片足で立ち、もう片方の足は、上げたまま膝を直角に曲げる動き。
曲げる脚を上げる方向は、前と後ろのどちらかになります。
膝と腿をしっかりと上げ、膝とつま先が同じラインにくるようにしましょう。

シェネ(Chaines)

「連鎖」。
ポワント、もしくはドゥミ・ポワントになり、連続で回転します。
ポジションは1番か5番のまま。
進行方向に向かってくるくると素早く回転し、乱れることのないターンを目指しましょう。

ピルエット(Pirouette)

「旋回」。
ポワント、もしくはドゥミ・ポワントにした片足を軸に回転します。
回り方には、外回りと内回りの2種類があります。

有名な日本人バレエダンサー


習い事として定着している日本のバレエ。
海外以上に裾野が広いため、しのぎを削ってプロを目指している方も多く、海外よりも高い水準だとされています。
その水準を高めてくれた日本人のバレエダンサーの中から、3人ご紹介します。

熊川哲也

1989年のローザンヌ国際バレエコンクールにおいて、日本人で初めて1位に輝きました。
さらに、東洋人で初めてイギリスのロイヤル・バレエ団に入団し、最年少の17歳でソリストに昇進するなど、数々の偉業を成し遂げています
天性のバネを活かした滞空時間の長い跳躍と、切れ味の鋭い回転が持ち味。
1998年にバレエ団を退団した後は、日本でKバレエカンパニーを創立して後進の育成に注力する一方で、演出家・振付家として熊川版の古典作品や新作を精力的に発表しています。

吉田都

イギリスのロイヤルバレエ団で22年間プリンシパルとして活躍
2019年に引退されてからは、新国立劇場の舞台芸術監督を務めています。
『コッペリア』や『ロミオとジュリエット』などの少女や妖精の役どころを得意とされていました。

森下洋子

日本人として初めて国際的に活躍したバレリーナ。
「東洋の真珠」と呼ばれていました。
正確なテクニックと演技力が持ち味で、海外の多くのステージとして客演を務められましたが、現在は様々なオファーを断って松山バレエ団の団長として活躍なさっています。

有名なクラシックバレエの演目


代表的な作品と言えば、チャイコフスキー作曲の3大バレエですよね。
他にも、たくさんの名作がありますので、あらすじと特徴をご紹介します。
動画をご覧いただくと、それぞれの作品が持つ雰囲気の違いも感じ取れるはず!

『白鳥の湖』

主人公オデットは、悪魔によって白鳥の姿に変えられてしまいました。
ジークフリート王子は、その呪いを解くためにオデットに愛を誓おうとしますが、悪魔の娘オディールがオデットに成りすまして、ジークフリートを騙してしまいます。
ラストがハッピーエンドになるかバッドエンドになるかは、演出家によって変わってくるのも面白いです。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=JP8YtXyhV6k&t=17s)

特徴は、主役のプリマバレリーナが「白鳥のオデット」と「黒鳥のオディール」の二役を演じること。
他にも、4羽の白鳥やコール・ド・バレエなど、見どころはたくさんあります。

『眠れる森の美女』

主人公オーロラ姫の洗礼の式典に6人の妖精たちが招待されました。
しかし、ひとりだけ招待されなかったことに怒った邪悪な妖精カラボスは、「オーロラ姫が16歳(バージョンによっては20歳)の誕生日に死ぬ」という呪いをかけてしまいます。
リラの精が呪いの威力を薄めてくれたことで、姫が死ぬことはありませんでしたが、長きにわたる眠りについてしまうのでした。
そして100年後…。
リラの精が、デジレ王子をオーロラ姫の元へと導くのです。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=w3op50ck4_0)

特徴は、ふたりの結婚式をお祝いするお客様が、童話の登場人物であること。
個性豊かに踊る「青い鳥」や「長靴をはいた猫」を観られます。
また、上演時間が3時間程もあるため、ほとんどの場面に出演するオーロラ姫役のプリマバレリーナの体力が問われる作品です。

『くるみ割り人形』

少女クララは、クリスマスパーティーで叔父のドロッセルマイヤーからくるみ割り人形をプレゼントされて大喜びしましたが、その日の深夜、クララの身体は人形くらいに小さくなっていたのです。
そこに、ねずみの王様と手下たちが現れ、くるみ割り人形と兵隊人形たちと戦い始めます。
負けてしまいそうになったくるみ割り人形を見かねたクララがスリッパを投げると、見事、王様に直撃。
ねずみたちは退散していきました。
すると、くるみ割り人形の姿が美しい王子になり、クララをお菓子の国へと案内してくれるのです。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=c2SRjSAeoIw)

クリスマスの時期になると、公演が多くなる作品。
お菓子の国で繰り広げられる、お菓子の精たちの可愛らしい踊りが特徴です。
花のワルツのコール・ド・バレエや金平糖の精の踊りなど、数々の見どころがあります。

『ラ・シルフィード』

シルフィードは、婚約者のいる農夫ジェームズに恋をしてしまった森の妖精。
結婚式の直前、暖炉の傍で眠っていたジェームズは、シルフィードにキスされたことをきっかけに、心を奪われてしまいました。
彼女を自分のものにしたいと考えていたところ、とある占い師から妖精が飛べなくなるというスカーフを貰います。
しかし、そのスカーフは呪われており、ジェームズは何も知らずにシルフィードを追いかけるのでした。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=RPuhBwtniH8)

ロマンティックバレエの代表作で、特徴は、人間が妖精を表現する踊り。
軽やかなジャンプと細やかなポワントワークは、年齢がわからない可憐な妖精を演じることができるのです。

『ジゼル』

アルブレヒトとヒラリオン、ふたりから思いを寄せられていたジゼル。
ジゼルはアルブレヒトと想いを通わせましたが、アルブレヒトが高い身分を隠し、婚約者がいたことをヒラリオンから聞いてしまいます。
さらに、アルブレヒトがジゼルの目の前で婚約者のバチルダを選んだことで、ジゼルはショックのあまり息絶えてしまうのです。
その後、許しを請おうとジゼルの墓前にやって来たヒラリオンとアルブレヒト。
ジゼルを仲間に迎え入れた精霊ウィリーたちは、ふたりを許さず、命が尽きるまで踊らせようとします。
そこに現れたジゼルは、精霊に命乞いをして、アルブレヒトを守ろうとするのでした。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Ls8ot4F-cRo)

「白いバレエ」として知られる精霊たちのコール・ド・バレエは、屈指の名シーン。
髪を振り乱して心を表現するジゼルの踊りや、アルブレヒトとジゼルの愛のパ・ド・ドゥも見どころです。

『ロミオとジュリエット』

敵対関係にあるふたつの名家に生まれた、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエット。
結ばれることが許されないふたりは、悩みながらも愛を膨らませていきます。
ロレンス修道士と共に、駆け落ちする計画を立てたジュリエットでしたが、それが悲劇を生むことになるのです。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=RvI5eF7MiiY&t=15s)

言わずと知れたシェイクスピアの名作。
ロミオがジュリエットをリフトするテクニックが多用されていることが特徴です。
また、恋をしたジュリエットが少女から大人の女性へと成長する姿も見どころ。
バレエ団によっては、両家の立場が対等であるバージョンと、キャピュレット家の方が身分が高いバージョンのふたつがあるので、その違いを楽しむのも良いかもしれません。

『コッペリア』

コッペリアは、コッペリウス博士が作ったからくり人形。
青年フランツは、コッペリアが人形だと知らずに恋をしてしまいました。
焼き餅を焼いたフランツの恋人スワニルダは、コッペリアと話をするために侵入したコッペリウスの家で、コッペリアが人形だと知ったのです。
同じ頃、コッペリアが気になるあまりにコッペリウスの家に侵入したフランツがコッペリウスに見つかってしまいました。
怒ったコッペリウスはフランツに眠り薬を飲ませて、その命をコッペリアに吹き込もうとするのでした。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=wazlHCDB9tg)

特徴は、明るくて陽気なスワニルダのおてんばな動き。
焼き餅を焼いたり、こっそり家に侵入したり、コッペリアのフリをしたり、勇気を出して恋人を救いに行ったりと、くるくると表情が変わる様には、スワニルダ役の表現力が問われます
ラストを飾るスワニルダとフランツの結婚式で、様々な民族舞踊の衣装や踊りの要素が取り入れられているのも見どころです。

『ドン・キホーテ』

自分を騎士だと思い込むようになった騎士道物語が大好きな青年は、「ドン・キホーテ」と名乗って、ドルネシア姫に会いに行く旅に出ます。
その頃、床屋の息子バジルと宿屋の娘キトリは、愛し合う仲にも関わらず、結婚の許しをもらえていませんでした。
そんなふたりの前に現れたドン・キホーテは、キトリをドルネシア姫と思い込んでしまいます。
バジルとキトリが駆け落ちしたと知ったドン・キホーテはキトリを追いかけましたが、現実と騎士道物語の区別が付かなくなってしまうのです。

https://www.youtube.com/watch?v=-I9CgUkJxKM&t=9s
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=-I9CgUkJxKM&t=9s)

特徴は、明るいドタバタ喜劇の中で表現する、現実と空想の世界。
スピーディーな展開、弾ける音楽、楽しい踊りが、観客を惹きこみます。
ドン・キホーテの狂言回し振りや、キトリの連続ジャンプ、キューピッドたちの踊りなど、見どころはたくさんあります。

『海賊』

メデューラとギュリラーナは、海賊船が難破して海辺に打ち上げられた3人の海賊を助けました。
やがて、メデューラは海賊の首領コンラッド愛し合うようになります。
しかし、乱入した軍から彼女たちを助け出したコンラッドが、仲間と共に隠れ家の洞窟に逃げ込むと、「愛しているなら解放してほしい」とメデューラに懇願されてしまいます。
コンラッドは承諾しましたが、彼に反対した他の海賊たちが、メデューラに眠り薬を与えます。
すると、そこを狙った商人たちがメデューラを連れ去ってしまい、奴隷にされてしまうのでした。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=kpELCs2D6dE)

男性ダンサーが活躍する作品と言えば『海賊』。
海賊たちの迫力満点のダイナミックな踊りと、メデューラとギュリラーナの美しく華麗な踊り、それぞれが異国情緒に溢れています。

『ライモンダ』

伯爵夫人の姪のライモンダは、婚約者ジャンが従軍から帰ってきたら、結婚式を挙げることになっていました。
ある夜、夢の中で見知らぬ男に求婚されたライモンダでしたが、現実でもその男が現れ、アブデラフマン王子だと名乗って、彼女に求婚してきます。
ライモンダは、アブデラフマンに連れ去られそうになりますが、そこにジャンが帰還して決闘を挑むのでした。


(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ashFa50yImU)

フランスが舞台だということで、舞台背景はまるで絵画のよう。
他にも、アラビアンな衣装やハンガリー風の衣装などで楽しませてくれるのが特徴です。
また、ライモンダのヴァリエーションが多いため、難しい役どころともされています。

クラシックバレエに関するQ&A


ここまで、クラシックバレエの歴史や基礎知識をご紹介してきました。
クラシックバレエの様々な魅力をわかっていただけたでしょうか?
しかし、実際に始めるためには、現実的な情報が足りないと思います。

ここからは、「クラシックバレエを始めたい!」という方からよく聞く質問にお答えしていきます!

Q.①|子どもが習うなら何歳からが良い?

A.|3~4歳

昨今、3~4歳から受け入れるバレエ教室が多くなっています。
本格的なバレエのパを取り入れたようなレッスンではなく、音楽に合わせて身体を動かし、5~6歳頃になると、バーレッスンやセンターレッスンが本格的に加わっていくというイメージです。
「バレエを始めるならできるだけ早い方が良いのかな?」とお悩みの親御さんは多いかと思います。
もちろん、早く始めれば、バレエが習慣化したり、柔軟性が高められたりするというメリットはありますが、お子さんの方から「やりたい!」と言い出したときがベストだとも言えます。
そのため、お子さんがクラシックバレエに興味を持つきっかけとして、おうちでクラシック音楽を掛けたり、バレエの動画を観たり、バレエの絵本を読んであげたりすると、興味を持ってくれるかもしれません。

Q.②|男の子が習うにはどうすればいい?

A.|まずはボーイズクラスを探してみる

男の子も女の子と一緒にレッスンを行うことが多いです。
レッスン内容も基本的に同じですが、中学生頃になると、ジャンプや回転技、女性のサポートなど、男性ダンサーならではのテクニックも学んでいきます。
しかし、現状、どこのお教室も女の子の生徒が多い方がほとんど。
そのため、男の子向けの講習会などに参加するように勧めてくれることもあります
バレエ教室によっては、「ボーイズクラス」が元々存在することもあるので、まずは、そちらを探してみることをオススメします。

Q.③|大人になってから始めるにはどうすればいい?

A.|バレエ教室に通う or オープンクラスに参加する

大人からバレエを始める人は少なくありません。
そのため、「一度も踊ったことが無い」「身体が硬い」と思って諦めないでください。
「習ってみたい」と思ったときこそ、始め時。
ぜひ、お近くのバレエ教室を探してみてください。
もし、毎週必ず習い事に行くことができないという場合は、「オープンクラス」を探してみるのも良いでしょう
オープンクラスとは、月謝制ではなく、どこのお教室に通っていても、もしくは通っていなくても参加出来る気軽なレッスンのことです。
自分の予定に合わせてレッスンを入れられるというのは、大人の特権ですね。

Q.④|教室を選ぶときのポイントは?

A.|教室の方向性が自分の目的に合っているか

「バレエを始めたい」と思うとき、何らかの目的や目標があると思います。
例えば、「ダイエットのために継続したい」「憧れていたバレエを楽しみたい」「プロダンサーを目指したい」など。
まず、教室を選ぶ前に自分の目的を確認し、それに当てはまる教室を候補に入れていきましょう。
その後は、以下のポイントも意識しつつ、始める本人が納得する教室を選んでください。

他にも確認した方が良いポイント
  • 通いやすい立地?
  • レッスンにかかる費用は?
  • 体験レッスンでの雰囲気は?
  • 先生との相性は?
  • 年齢や能力に分けたクラス分けがされている?
  • バーレッスンを大切にしている?
  • 小さな子にトゥシューズを履かせていない?
  • プロを目指すための支援や対策は施されている?
  • 発表会を観てワクワクした?

Q.⑤|月謝の相場はどのくらい?

A.|週1回で7,000円~10,000円

まず、バレエ教室に通い始めるときには、「入会金」「月謝」「バレエ用品」が必要です。
さらに、発表会を行う教室であれば、別途「発表会参加費」が必要です。

バレエ教室に通う際にかかる費用(※一例※)
  • 入会金 ――――― 5,000円~10,000円
  • 月謝 ―――――― 7,000円~8,000円 / 週1回
  •          10,000~15,000円 / 週2回
  • バレエ用品 ――― 5,000円~10,000円
  • 発表会参加費 ―― 100,000円 / 1回

入会金は親子や兄弟姉妹で入会すると割引になることもありますし、月謝は週にレッスンを受ける回数が増える毎に割引されることが多くなっています。
ただ、ここに示しているのは、あくまでも一例です。
習いたい教室が定まってきたら、必ずご自分で確認してください

Q.⑥|レッスンに必要なものは?

A.|レッスンウェアとバレエシューズ

子どもがバレエを習うときは、タイツにレオタード姿を求められることは多いことでしょう。
しかし、大人が習うときは、自由な場合もあります。
また、男性と女性では変わってくるので、それぞれ教室に確認してください。
そして、いずれも必須になるのが「バレエシューズ」です。
初回は貸してくれる教室もありますが、自分の足にピッタリとフィットしているシューズの方が上達も早くなります。
そのため、最初はバレエ用品店の店員さんに見てもらいながら選ぶことをオススメします。

Q.⑦|オススメのブランドは?

A.|チャコット or シルビア

バレエ用品と言えば、「チャコット」と「シルビア」。
チャコットは、国内縫製にこだわり吸水性や耐久性に優れているため、長持ちしやすいことで知られています。
シルビアは、王道のシンプルなデザインが多い一方で、さり気ないフリルやリボンなどのアクセントが子どもにも人気。
どちらの店舗にもレオタードやシューズの試着スペースが設けられているので、初心者が店員さんに質問をしやすい環境になっています。

Q.⑧|トゥシューズはいつから履けるようになる?

A.|10歳頃

バレエを学ぶ少女たちが憧れるトゥシューズ。
しかし、バレエのレッスンを初めてすぐに履けるというわけではありません。
トゥシューズは、足に相当な負担を掛けます。
そのため、筋肉や骨がしっかりとしてきた10歳頃にならないと履かせてもらえないと思って良いでしょう。
また、トゥシューズは勝手に履いてはいけません。
先生の許可が出たら、徐々に足を慣らしていきましょう。

Q.⑨|プロダンサーを目指すときに必要なことは?

A.|クラシックバレエとコンテンポラリーダンスの両方を踊れるようになること

プロダンサーを目指す際に必ず通る道である「バレエコンクール」では、クラシックバレエ部門の他に「コンテンポラリー部門」があります。
つまり、コンテンポラリーダンスを踊れないと、プロにはなれないのです。
とはいえ、クラシックバレエはすべてのダンスの基礎。
クラシックバレエを最初に学んでいた人なら、コンテンポラリーダンスを習うときにも応用が利きやすいはず。
クラシックバレエの傍ら、コンテンポラリーダンスを学ぶことができるよう、先生に掛け合ってみましょう

Q.⑩|公演を観劇する際の注目ポイントは?

A.|総合芸術としてのバレエのあり方

決められた振り付けの中で魅せるダンサーそれぞれのテクニックや表現力は、ダンサーの技量や当日のコンディションに関わってきます
公演は、それを支える舞台を含めて、目の前で観て、感じることのできる素晴らしい機会。
なるべく多くの感動を得たいですよね。
そのとき、注目してほしいポイントが以下になります。

公演の注目ポイント
  • ダンサーのポーズやモーションの美しさ
  • ポワントの技巧
  • 主役ふたりによるグラン・パ・ド・ドゥ
  • コール・ド・バレエの華やかさ
  • オーケストラの生演奏
  • 舞台美術や衣装
  • バレエ団毎に変わる演出

まとめ


クラシックバレエの特徴は、「型」が決まっていることです。
基礎知識の数も多いため、この記事だけでは網羅できないほど。
しかし、バレエを始める前にそれら全てを覚えておかなければいけないというわけではありません。
バレエを習いながら覚えることもたくさんありますし、バレエの知識は、身体を使って覚えるものなのです。

「クラシックバレエを始めてみたい!」と思った人は、まずこの世界に飛び込んでみてください。
年齢も性別も関係なく、いつになってもチャレンジできます。
最初は「単なる運動」として考えていても、古くから世界中で愛されている「芸術」としてのバレエの美しさに、いつの間にか魅了されているかもしれませんよ!